LED ライト考察

 

探索目的で、これまでいろいろなアイテムを入手してきたusiですが、その中でも特に数の多い

LEDライトについて、経験を踏まえた考察してみようと思います。

 

LEDライトとは

LEDライトといっても、今ではいろいろな種類があります。

超小型のキーライトや、懐中電灯型のもの、一般電球型のもの・・などなど

その中で、今回取り上げるのは懐中電灯型のものです。

懐中電灯型でも種類が分かれますが、usiが使用しているのは高輝度白色パワーLED を使用したものです。

 


高輝度白色パワーLEDとは

高輝度パワーLEDはパワー青色LEDに黄色の蛍光体を塗布して、白色光を発光する半導体です。

青色LEDの青い光は、補色関係にある黄色の蛍光体に当たると白色に見えるようになります

基本的なこの仕組みを利用して、さらに一般的なLEDよりも半導体面積を大きく

大電力を投入できるようにしたものが、高輝度パワーLEDと呼ばれます。

 

この仕組みで、明るく色温度の高い白い光が得られます。


高輝度白色パワーLEDの高い演色性

白い(色温度が高い)光の方が、いろいろな色を再現する事が出来ます

上の画像が、それを表現したものです。 青色の鮮やかさが全然違います。

画像から色を抽出すると、電球の方は純粋な青は出ていません。

しかし、人間の目と脳は非常に高性能で、電球の場合でも経験から自動的に補正して見た目は青でなくとも

青く見えるように補完します。 これは、カメラで言うところのホワイトバランスと一緒です

人間ってすごい(*^。^*)

 

と、ちょっと話がそれました・・

えと、このような光の性質を、演色性というそうで、演色性が高いほど色を正確に表現できます。

簡単な例として、トンネルの中を走っている時に色が正しく見えなくなる現象に遭遇したことがあると思います。

トンネルや街灯で使用されているオレンジ色の電灯はナトリウムランプというもので

これは、演色性が極端に低く、これで照らされた青い物などは黒に見えてしまいます。

 

つまり・・・

光源としては、演色性が高いほど視認性(見た目)が良く好都合、という事が言えます。

この点においては白色LEDは優秀な光源であるといえるわけです。

 


消費電力の優秀性

さらにLEDは消費電力が少ないという利点もあります。

これは lm/W という数値で表されますが、光束量/消費電力 という意味で

この数値で、電力をどれだけ光に変換できるかが分かります。

実際に比較して見ましょう。

光 源
光 束(lm)
消費電力(W)
lm / w
電 球
810
57
14.2
蛍光灯
810
13
62.3
H I D
2000
35
57.1
L E D
655
5
131.0

実に電球の10倍近くの効率で光に変換出来ています。

以上の結果から、同じ明るさならば、LEDの方が電池は長持ちします。

HIDって見ると凄く眩しいので蛍光灯より良いかと思いきや、大差はなく、むしろ負けるんですね。

ただ、発光面積が違うので単純には比較できません。蛍光灯は面発光でHIDは点発光です。

発光面積辺りの光量は圧倒的にHIDが勝ります。

この面積辺りの明るさを輝度と言いますが、輝度が高いとその部分に光が集中しているので

そこを見ると、まぶしさを感じる原因となります。

従って、例え光束・光量が同等でも、HIDやLEDは発光面積が狭いのでまぶしく感じます。


集光性の問題

 

ここまで、LEDの優秀さについて書いてきましたが、欠点が無いわけでもありません。

それは、発光部にあります。

まず、先に書いたとおりLEDは半導体で基本的には面で構築(実際は微細な立体成型)されるものです。

実はこの形が光源としては扱いが難しくなります。

他の光源、例えば電球は真空のガラス管の中に発光部があり、光はほぼ全周に渡ります。

しかし、LEDの場合は面で発光するため、光は前方およそ180度に限られます。

 

光が前だけに出るので都合がいい場合もあります。

家庭用照明などの空間照明には、この特性は有効なためこの場合は都合がいいと言えます。

しかし、懐中電灯などはスポット照明で、光を一定の方向へ集める手段が必要です。

そのままでも使えない事は無いですが、直接光が目に入ってしまい眩しくて使い物になりません。

 

この光を集める方法を集光といいますが、この集光がLEDの場合簡単にはいかないのです。

 

電球の場合発光部が突出しているため、全周の点光源と考えることが出来ます。

つまり反射面を後方へ回り込ませる事で効率よく、ほぼすべての光を前方へ集中できます。

電球の場合も無効光が発生しますが、全体の割合を比較するとおよそ3割程度に収まります

電球は輝度が低いので無効光も弱い訳です。

 

しかし、LEDの場合発光面が平面で突出していません。

従って、光の集光割合が悪くなります。 全体の半分近くが無効な光となってしまいます

LEDは輝度が高いので無効光が強く照射角度も狭いので無駄が多くなります。

 

そこで用いられるのが、コリメータ&リフレクターレンズです。

 


コリメータ&リフレクターレンズ

 

コリネータレンズとは、平行光を得るためのレンズの仕組みです。

2つの凸レンズを合わせたような形をしています。

このコリメータレンズを使用すればかなり改善されるものの、光源から水平に近い部分に

まだ無効光が多くあります。

そこで考えだされたのが、コリメータ&リフレクターレンズです。

このレンズは、コリメータレンズにリフレクターの機能を併せ持たせたレンズで一体成型されています。

先ず、前書きの通り前方の2枚の凸レンズ(コリメータ)部で平行光()を生成します。

)部分は、一見上方へ透過するように思えますが、レンズなどの透光材には一定以上の角度で

光が面にあたると反射する性質があり、これを全反射といいます。

この全反射を用いて、凸レンズで捕らえる事の出来なかった光を、非球面加工された背面部分に当て

反射させ前方への平行光()を作り出します。

※ここでは分かりやすくするために、色名をつけて表示・説明していますが、実際に光が分色する訳ではありません

 

このコリーメタ&リフレクターを使用する事によって集光率は大幅に改善され、およそ80%程度に向上します。

 

ただし、実際はコリメータ&リフレクターレンズを使用しなくとも反射板の形状を工夫する事によって

同等の集光率を実現する事も可能です。

しかし、対象光源(LED)の発光部が小さいため、反射板の寸法精度もより厳しく

直径3cm程の非球面加工を施した高精度な反射板が必要となります。

また、反射板の奥行きも必要で、細長い形状になって、あまりスマートではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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